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マスクとデータリミット


これまでの説明で、航海用電子海図のデータ構造と、これを表現するプレゼンテーションライブラリーの仕掛けがわかったでしょうか。 簡単に言えば、オブジェクトのコードとその属性コードによってシンボルが決定され、プレゼンテーションライブラリーのルールによってシンボルが決定し、 プレゼンテーションライブラリーのシンボルがプレゼンテーションライブラリーで定義された色で画面に表示されます。
この中で、非常に凝った仕掛けがあります。これがマスクとデータリミットです。さて、プレゼンテーションライブラリーの中で、面の塗りつぶしタイプのものを見てみましょう。



この例は、面タイプの港湾区域です。周囲に CHGRD で枠を描きます。しかし、周囲の枠を描く時に、ある部分は、枠を描きたくない時があります。これを制御する機構がマスクと呼ばれるものです。 フォーマット上では、下に示した場所にマスクをセットします。



具体的なマスクの効果を見てみましょう。下に示した例は、BRIDGE(橋)のマスクの例です。ここでは、マスクはセットされていません。



(画像をクリックすると、1280 x 1024 ピクセルの画像が見れます)

赤丸で囲んだ場所で、橋が切れているわけではありませんよね。本当だったら、赤丸で囲んだ場所の橋の縁取りは、無い方がきれいに見えます。この場所にマスクをかけてみたのが、下の画面です。



(画像をクリックすると、1280 x 1024 ピクセルの画像が見れます)

どうでしょう?マスクをセットしてあげた方が、地図らしく見えませんか?丁寧にマスクしてあげれば、きれいになる個所があります。 日本の航海用電子海図には、一切マスクが入っていません。ところが、データリミットの方は深刻です。

データリミットの元来の意味は、セルの境界において、面が切断されているときにデータリミットをセットする事が、S-57 に規定されています。面が隣のセルに接続しない場合は、データリミットをセットしません。フォーマット上は、以下に示す位置に’C'が入ります。通常は、面の外側(Exterior)、または、内側(Interior)を示す場所です。



下の図を見ると、赤丸で囲んだ不自然な縦線が入っている事に気が付きます。この縦線、港湾区域の境目なのですが、何故か、南北の直線になっています。しかも、直線は、丁度東経140度の位置にあります。実は、この縦線のある位置は、セルの境界で、データリミットがセットされていないために、縦線が現れてしまっています。


(画像をクリックすると、1280 x 1024 ピクセルの画像が見れます)

本当は、セルによって、港湾区域が切断されているので、データリミットを入れないといけません。下の画面は、データリミットを港湾区域に入れたものです。



(画像をクリックすると、1280 x 1024 ピクセルの画像が見れます)

どうでしょうか?不自然な縦線は見えなくなりました。データリミットを入れなくても、安全航行上の問題になる事はないでしょうが、手抜きと言われても仕方ありません。

(注) 2006年4月現在、データリミットに関しては機械的に入っています。しかし、一部のオブジェクトに関しては、データリミットが入っていないため、画面上での不自然な線が見える場合があります。




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